http://animallabo.com/
Vol.30 変動金利の住宅ローンには要注意
住まいに関する質問や相談に
プロフェッショナルが様々な視点からズバリ答えるこのコラム。
今月は「日本版サブプライムローン問題があるって本当ですか?」を取り上げます。

Q.ボーナスも出ることですし、
頭金もある程度貯まる予定ですので
そろそろ住宅の購入を考えています。

そこで最近、住宅ローンについて
インターネットや新聞、雑誌で調べはじめたのですが、
少し気になる情報を見つけました。

今、アメリカで大きな問題になっている
サブプライムローン問題が日本でも発生するかもしれない
と書いているサイトやコラムがあったのです。

この「日本版サブプライムローン問題」について
住宅ローンを組む前にくわしく知っておきたいのですが、
解説をお願いします。

(30代 男性)
今回はマンションディベロッパー、不動産仲介業で営業を経験し、
宅地建物取引主任者の資格も持っているファイナンシャルプランナーの
いとうみき さんに答えてもらいました。
いとうみき プロフィール
ファイナンシャルプランナー
宅地建物取引主任者

1977年生まれ。鳥取県米子市出身。

外資系生命保険会社を経て、マンションディベロッパー、
不動産仲介業において営業を経験。

現在は株式会社優益FPオフィスにて、定期刊行誌、
新聞社webコラムなどへの執筆業務のほか、
セミナー講師、個人向けFP相談を務めるなど多方面で活躍中!
■そもそもサブプライムローン問題って何?

そもそもサブプライムローンとは
アメリカで利用されているローンのうち、
高所得者など信用力の高い優良顧客、
プライム層向けではないローンのことをいいます。

低所得者など信用力の低い顧客に融資をするのは、
金融機関としても返済が滞るリスクが高いため、
当初数年間の金利は低く設定されていますが、
その後金利が段々に高くなっていくことが一般的です。
ただ、1990年代後半から、アメリカでは住宅価格は上昇を続けていたこともあり、仮にローン支払いが困難になっても、住宅を売却することで返済に充当できると見込んだり、そもそも住宅の転売目的でサブプライムローンを利用したり、という人も多かったようです。

しかし、次第にアメリカの住宅価格は下落に転じていきました。

その結果として、当初数年間の低金利が終了し、
高金利に移行したサブプライムローン借入者の
延滞が多くなった上、住宅価格の下落によって、
「売るにも売れない」とか、
「売ってもローンを完済できない」といった状況が生じたことで、
破産する人が激増したことが、世界的金融不安を引き起こした
サブプライムローン問題の発端です。

■日本にもサブプライムローンがあるの?

日本に、アメリカのような「サブプライムローン」という
住宅ローン商品があるわけではありません。

しかし、独立行政法人住宅支援機構の
「平成19年住宅利用者アンケート(第3回)」によると、
世帯年収が低くなるほど返済負担率
(世帯年収に占めるローン返済の割合)が大きくなっています。

また、世帯年収400万円以下の層をみると、
100%以上の借り入れが約3割をしめ、
変動金利型のローンを利用している人も
一定数存在することがわかります。

しかも、同調査によると、
変動金利型のローンを利用している人(全年収層)の約3割が
金利上昇時の対策について「見当がつかない」
と答えていることに驚かされます。

ここに、「日本版サブプライムローン問題が起こってしまう!」と危惧される要因があるのです。

つまり、低所得者層の一定割合の世帯が、金利上昇によって支払額が増えるデメリットがある変動金利型のローンの内容を理解せずに、単に「金利の低さ」に目を奪われて、多額のローンを組んでいるために、今後金利上昇傾向が加速すると「日本版サブプライムローン問題が起こってしてしまうかもしれない!!」のです。

ただ、変動金利型のローンには、
確かに金利上昇によって
支払額が増えるデメリットがある一方、
現在のような低金利時には、
元金をサクサクと返済することができるメリットもあります。

これら、メリット、デメリットを理解して、
「でも低金利の今だから!」と変動金利を選択し、
金利上昇時に備えて対策を考えておくのであれば、
住宅購入に際しても今回のご相談者さんのように
ご心配されることはありません。


今回のポイント!

・日本版サブプライムローン問題は生じる可能性はある!

・金利タイプのメリット・デメリットを理解してローンを組む!

・金利上昇時の対策を考えておく。


ご質問&お悩みを募集しています

『知って得する不動産選び必勝講座』では、あなたのご質問&お悩みを募集している。

寄せられた質問、お悩みの中からピックアップをして、このblogで専門家がわかりやすく解決方法をアドバイスしている。こちらの何でも質問&お悩みフォームから、どしどしご応募ください。
住まい:買う|借りる|建てる|売る|リフォーム|住宅ローン|引越し

コメント

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

まだテーマがありません

この日記について

日記内を検索